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eduCycle エコクラフトパックプロジェクト

コラム

子どもたちに伝えたい。
きみの工夫で、ゴミはなくせる。

自由な発想で、さわりごこちを楽しむ工作をする子どもたち。

図工室には3年生の生徒たちが、3〜4名の班でテーブルを囲んでいる。わいわい、がやがや、おとなしく待ってられない元気いっぱいの子どもたちだ。板垣晶子先生が「じゃあ、はじめますよー!」と呼びかける。「今日はこれやりまーす!タッチキャッチさわりごこち!」と言いながら、やり方を示した紙を貼って説明する先生。はしゃぎながらも子どもたちは熱心にお話を聞く。「これから配るいろんな材料をカードに貼って、さわりごこちカードを作ってもらいまーす」先生が用意した袋に入った工作の材料は、壁紙やカーペットのサンプル、余ったリボンやカーテンの端切れなどだ。

ここは、多摩市立連光寺小学校の図工室。前回の記事で説明した「eduCycle エコクラフトパックプロジェクト」の実際の授業シーンだ。事業についていろいろ聞いたことを、現場で取材しに来たのだ。環境教育の一環ということで、真面目な話を真面目に聞く授業を想像していたのだが、子どもたちのパワーにまず圧倒されてしまった。

10センチほど四方の画用紙に、一種類ずつの材料を貼っていく。できあがったカードを各班でお互いのものをさわりあって感触を確認する。いろんな材料があるので、多様なさわりごこちをみんなで表現しあうのだ。30分ぐらいの間でそれぞれ2〜3枚のカードを作る。何しろいろんな材料があるので、ひとつひとつをさわって確かめながら工作を進めていく。

カーペットのサンプルは分厚くてなかなかハサミで切れない。壁紙のサンプルには、これは何だろうと大騒ぎしながら貼っていく。作業のひとつひとつのプロセスを、子どもたちは大いに楽しんでいる。

見ていると、子どもたちの発想がいかに自由で個性的か、びっくりしてしまう。カードにぴったり合わせて材料を正確に切ろうとする子。綿のふわふわした感触を楽しみながらちぎって貼る子。緩衝材を細かく切って丁寧に貼っていく子。ストローを切ってわざわざ立てて紙に貼るという、大変な作業に熱中する子もいる。

自由に、のびのびと自分なりにやりたいことを、やりたいように作業する。そして、あれだけ元気いっぱいにはしゃいでいたのに、驚くほどの集中力でカードを作っている。子どもたちが持っているこうしたチカラに、何よりも私は感動を覚えた。

いらないものが、工作に使えることの意味を感じる。

できあがった「さわりごこちカード」を各テーブルの中央に集めて、みんなでさわってみる。それぞれ素直に感触を楽しんでいる。先生が、「さあ、どんなさわりごこちか言ってくださーい!」と問いかけると、はい!はい!はい!と大勢が元気に手を挙げる。「つるつるしてた!」「んー、ぬるぬるだった」「ふわふわしてるー」口々に感触を言葉にする。同じものをさわって、ちがう表現になるのが面白い。
そして先生がみんなに聞く。「今日使ったものは、何だったかわかる?」ある子がすかさず大きな声で答えた。「いらないもの!」「そう!会社でいらなくなった材料とか見本を、もらって来たんです」と種明かしする先生に「ニトリにありそう!」「じゅうたんだよね、これ!」と率直に答える。みんなある程度“いらないもの”だとわかって工作をしていたのだ。

先生は続けてみんなに問いかける。「会社にとってはいらないものでも、こうしてみんなが工作したら使えるよね。おうちのゴミも、これ使えるかな?って考えてみるといいね」ここがエコクラフトパックの活動のだいじなポイントだ。ゴミになるものも、工作に使える。同じようなことは、家庭にもあるかもしれない。そう気づいてもらうことが、将来子どもたちの環境への意識につながるのではないか。そんな思いを、きっと子どもたちも受け止めてくれたはずだ。図工室を去る時さえも、元気いっぱいの彼らからエネルギーをもらえた素晴らしい時間だった。

環境教育は、小さな積み重ね。子どもたちの主体性がだいじ。

連光寺小学校の校長は、前回の記事にもお名前が出て来た棚橋乾先生だ。全国小中学校環境教育研究会の副会長で、教師となった当初から環境教育活動を続けてこられた専門家だ。棚橋先生にじっくりお話を聞いてみた。
日本ではもともと、60年代後半に公害教育が行われていた。その後、世界的な環境教育のムーブメントの影響で、公害教育が環境教育に発展して今に繋がっている。2000年代からは、社会経済文化まで含めて考え、問題の解決を目指す新しい流れになっているそうだ。ESD (Education for Sustainable Development) の概念が国連で唱えられ「持続可能な開発のための教育」が世界の環境教育の目標となっている。
棚橋先生の目に、エコクラフトパックプロジェクトはどう映るのか聞いてみた。「それはもう、お宝ちょうだい、てなものですよ」と笑いながらおっしゃる。図工の授業では最近、いろいろな材料を使うようになっており、連光寺小学校でも近くの森からドングリや松ぼっくりを拾って来て工作に使っている。でもなかなかうまく材料が揃わないことが多い。「企業の資材はね、キレイなんですよ。子どもたちに何か作りたい!と思わせる魅力があります」確かに、住宅の装飾に使われる美しい高価なタイルのサンプル品もあったりする。さっき見た授業でも子どもたちが楽しそうだったのは、工作にうってつけの材料だったからだろう。

「環境教育は、こちらが教えるのではなく、子どもたちが主体的に関わって考えてくれるのがいちばん大切なんです。押し付けてはいけない。強いインパクトを持つ情報を与えるより、小さな積み重ねを楽しく続けて、子どもたちの意思を引き出すようにしています」そんな目的に、カラフルで多様な資材を企業が提供するエコクラフトパックは、ぴったりなのだという。
そう語る棚橋先生自身が、難しいことを教えるのではなく、子どもたちと一緒に環境教育を楽しんでいるのがお話ぶりからよく伝わってきた。先ほどの授業でも、子どもたちのもとを回って熱心に話しかけていらした。棚橋先生こそが、環境教育の素晴らしさを体現している。
エコクラフトパックの事業は、こうした先生たちによって、これからも支えてもらいながら少しずつ広がっていくといいと思った。環境教育の楽しさを感じてもらうための教材として、企業が出すゴミが役立つ。そんな素敵なことが、連光寺小学校から伝わっていきそうだ。

※前回の記事はこちら

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